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TOVより。
(擬人化)ラピード×ユーリ。
(擬人化)ラピード×ユーリ。
黒の絵具を溶かし込んだような、漆黒の闇夜。
月も星も輝かない夜空は、こんなにも暗く深い。
「眠れないのか?」
ベッドから抜け出してぼんやりとしていたところに、突然声を掛けられる。
振り向かなくとも誰がそこに居るのかは分かっていたが、殊更ゆっくりと視線を転じた。
「いや、なんとなくな」
「そうか」
小さく笑ったユーリにそれ以上深く追求することもせず、彼はそっと傍へと近づいてくる。
怪訝に思ってその行動を追っていると、彼はユーリの背中に寄り添うようにぴたりとくっつく。そしてそのまま、ふわりとユーリの身体を抱きしめた。
「ら、ラピっ!?」
驚いて上擦った声を上げたユーリを、彼は静かに見返す。
少し困ったように眉根を寄せ、一言呟くように囁いた。
「いやか?」
そんなふうに聞かれては、とてもじゃないが嫌などとは言えない。
事実嫌ではないのだが、それを正直に告げるのも何故だか憚られた。
ユーリは少し考えて、くるりと前に向き直る。彼と目を合わせないようにしながら、小さく首を振った。
その仕草で彼が表情を綻ばせたのが気配で分かる。
今更ながらに恥ずかしくなって、ユーリの頬に紅が差した。
ふたりの時間は、ただ静かに過ぎ去っていく。それは彼がもともと寡黙だったせいもあるだろうし、ユーリ自身もこの空気が好きだったせいかもしれない。
「寒いな」
恐らくそれは、彼なりの気遣いだったのだろう。
決して自分が寒かったのではなく、ユーリが寒いと思って出た言葉なのだ。
けれどユーリは、それが分かっていても素直に頷く気にはなれなかった。
「オレは・・・寒くないから」
噛み締めるように呟いて、身体に回された彼の腕に自らの手をそっと重ね合わせる。
もう少しだけ、その願いが伝わったのかは分からないが彼の腕にさらに力が籠もった。
「そうか」
彼はそれだけ呟いて、ユーリの背中で小さく笑った。
月も星も輝かない夜空は、こんなにも暗く深い。
「眠れないのか?」
ベッドから抜け出してぼんやりとしていたところに、突然声を掛けられる。
振り向かなくとも誰がそこに居るのかは分かっていたが、殊更ゆっくりと視線を転じた。
「いや、なんとなくな」
「そうか」
小さく笑ったユーリにそれ以上深く追求することもせず、彼はそっと傍へと近づいてくる。
怪訝に思ってその行動を追っていると、彼はユーリの背中に寄り添うようにぴたりとくっつく。そしてそのまま、ふわりとユーリの身体を抱きしめた。
「ら、ラピっ!?」
驚いて上擦った声を上げたユーリを、彼は静かに見返す。
少し困ったように眉根を寄せ、一言呟くように囁いた。
「いやか?」
そんなふうに聞かれては、とてもじゃないが嫌などとは言えない。
事実嫌ではないのだが、それを正直に告げるのも何故だか憚られた。
ユーリは少し考えて、くるりと前に向き直る。彼と目を合わせないようにしながら、小さく首を振った。
その仕草で彼が表情を綻ばせたのが気配で分かる。
今更ながらに恥ずかしくなって、ユーリの頬に紅が差した。
ふたりの時間は、ただ静かに過ぎ去っていく。それは彼がもともと寡黙だったせいもあるだろうし、ユーリ自身もこの空気が好きだったせいかもしれない。
「寒いな」
恐らくそれは、彼なりの気遣いだったのだろう。
決して自分が寒かったのではなく、ユーリが寒いと思って出た言葉なのだ。
けれどユーリは、それが分かっていても素直に頷く気にはなれなかった。
「オレは・・・寒くないから」
噛み締めるように呟いて、身体に回された彼の腕に自らの手をそっと重ね合わせる。
もう少しだけ、その願いが伝わったのかは分からないが彼の腕にさらに力が籠もった。
「そうか」
彼はそれだけ呟いて、ユーリの背中で小さく笑った。
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