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サモンナイト3より。
カイレク+アティ。(レックス、アティ混在注意。アティが姉、レックスが弟設定)

にっこりと、目の前の彼女は可憐に微笑む。
男なら誰しもがくらりとするような可愛らしい笑顔は、現に多くの男を虜にしている。
しかしこと自分に限っては、その笑みは通用しない。
そもそもコレはいつもの笑顔とは、根本的には別種のものだ。
敵意。それ以外にふさわしい言葉が見つからない。

「覚悟、してくださいね」

ふんわりとしていて、聡明なくせにどこか天然で。
守ってあげたいと思わせる雰囲気は、決して計算しているわけではないというのは知っている。
そう、「弟」がかかわっていなければ。

「まっ、もともとタダでもらえるとは思ってないしな」
「もらうだなんて、私の弟は物じゃないですよ!」

むっとしたような彼女に、低く笑ってみせる。
売られた喧嘩は、片っぱしから買う主義だ。そこに彼が関係しているのなら尚更。

「いーや、レックスは俺の“もの”だぜ」
「・・・言って、くれるじゃないですか」
「そういうわけだから、義姉さんはすっこんでてくれ」
「すこぶる不愉快な呼び方をしないでください!私の弟は、」

そこで一度言葉を切って、ふと視線を横に向ける。
ふわっと空気が緩んで、蕩けるような甘い笑みを浮かべた。

「レックスだけです」
「あ、姉貴・・・っ!」

突然笑顔を向けられ、レックスは恥ずかしそうに頬を染める。
その姿はとてつもなく可愛くて可愛くて、ぎゅっと抱きしめて腕のなかに閉じ込めてしまいたい。
最も、レックスにこんな顔をさせたのが彼女だということが気に入らないのだが。
そんな不機嫌を感じ取ったのか、ふふっと彼女が勝ち誇ったように笑う。

「待っていてください、レックス。あなたのことは、お姉ちゃんが守ります!」

高らかに宣言して、再び真正面を向き直る。
そうして戦いの火蓋は、切って落とされたのだった。
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