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TOVより。
ユーリ←フレン。

一歩近づく。一歩後退する。
また一歩近づく。また一歩後退する。
静かに微笑む顔が近づいてきて、とんと肩が壁に触れた。

「おいっ、フレン・・・!」

目の前が霞む、身体が上手く動いてくれない。
いともたやすく両腕を絡め取られ、きつく締めつけられた。

「っ・・・」
「ユーリがおとなしくしてくれないから」

ふわりと優しげに微笑んで、彼はさらに力を籠める。
股のあいだに足を入れられ、そこをぐっと押しつけられた。

「お、い・・・!なにしてっ・・・」
「僕はね、いらないんだよ。ユーリ」

彼はユーリのことなど無視するように、ただ言葉を紡ぐ。
にこにこと嬉しそうに、不自然な笑みを浮かべながら。

「君との友情なんて、本当はいらなかったんだ」
「おっまえ・・・」
「好きだよ、ユーリ。ずっとずっと好きなんだ」

押しつけられた足が、巧みにそこを刺激する。
だが快感など感じるはずもなく、痛みだけが身体を支配する。

「やめ、ろっ・・・ふれ、」
「ユーリ」

うっとりとした表情で名前を呼ばれ、そっと唇が近寄ってくる。
すっと顔を背けてやりすごそうとするも、途端に襲った激しい痛みに動きが鈍った。
苦痛に歪んだ顔に似つかわしくないほど、ゆっくりと優しく唇が触れた。

「んっ・・・ふっ・・・」
「友情は、もういらないよね」

何故、どうしてこんなことになってしまったのか。
ここまで彼を追い詰めたのは、自分なのだろうか。

「これからは、たくさんのアイジョウをあげるよ」

ふんわりと嗤った彼にもう戻らない時間を思って、一筋の涙がつたった。
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