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サモンナイト2より。
ロカリュ。(パラレル)
軽やかなリズムに合わせるように、楽しげな歌声が耳に入る。
野菜を刻んでいた手が止まり、思わず画面に見入ってしまった。
「・・・兄貴」
飛び散る汗がきらきらと輝いて、手元のギターをかき鳴らす。
柔らかくも激しいその表情は、家の中では決して見せないものだった。
ボーカルは別の人間だが(確かマグナとかいう名前だった)、彼も歌が下手な訳ではない。
たまに入るボーカルに合わせた歌声は、うっとりするほど綺麗なのだ。
「・・・かっこいい、よな。やっぱり」
ほぅっと呟いて、ハッとする。
なんだ、なんだいまの危ない思考は!!?
「は、はやく夕飯の準備しねぇと!」
テレビ画面から視線を外し、いそいそと料理を再開する。
今日は珍しく早く帰ってこれると嬉しそうに言っていたから、張り切って夕飯の準備をしていたのだ。
時々、本当に時々、テレビの中の彼を見ると、淋しさが忍び寄ってくることがある。
近いのに、遠い。触れられるのに、触れられない。
まるで誰か知らない人のように感じられて、遠い存在になってしまったようで。
『リューグ』
けれどそんなときは決まって優しく名前を呼んで、ぎゅうっと抱きしめてくれる。
素直になれない自分の代わりに、彼はいつだって自分を求めてくれる。
だから、だからこそ。
「あのボーカルに、兄貴を盗られないようにしないとな!」
あんなに優しくてかっこいい彼がそばにいて、変な気を起こさないともかぎらない。
いや、好意をもたないなんてことはありえないではないか。
彼の帰る場所だけは、絶対に誰にも渡さない。
それだけは、弟である自分だけの特権なのだ。
「っし、頑張るか」
気合いを入れて、軽快に包丁でリズムを刻む。
実はボーカルが狙っているのは兄ではないということに気がつくのは、また別の話である。
野菜を刻んでいた手が止まり、思わず画面に見入ってしまった。
「・・・兄貴」
飛び散る汗がきらきらと輝いて、手元のギターをかき鳴らす。
柔らかくも激しいその表情は、家の中では決して見せないものだった。
ボーカルは別の人間だが(確かマグナとかいう名前だった)、彼も歌が下手な訳ではない。
たまに入るボーカルに合わせた歌声は、うっとりするほど綺麗なのだ。
「・・・かっこいい、よな。やっぱり」
ほぅっと呟いて、ハッとする。
なんだ、なんだいまの危ない思考は!!?
「は、はやく夕飯の準備しねぇと!」
テレビ画面から視線を外し、いそいそと料理を再開する。
今日は珍しく早く帰ってこれると嬉しそうに言っていたから、張り切って夕飯の準備をしていたのだ。
時々、本当に時々、テレビの中の彼を見ると、淋しさが忍び寄ってくることがある。
近いのに、遠い。触れられるのに、触れられない。
まるで誰か知らない人のように感じられて、遠い存在になってしまったようで。
『リューグ』
けれどそんなときは決まって優しく名前を呼んで、ぎゅうっと抱きしめてくれる。
素直になれない自分の代わりに、彼はいつだって自分を求めてくれる。
だから、だからこそ。
「あのボーカルに、兄貴を盗られないようにしないとな!」
あんなに優しくてかっこいい彼がそばにいて、変な気を起こさないともかぎらない。
いや、好意をもたないなんてことはありえないではないか。
彼の帰る場所だけは、絶対に誰にも渡さない。
それだけは、弟である自分だけの特権なのだ。
「っし、頑張るか」
気合いを入れて、軽快に包丁でリズムを刻む。
実はボーカルが狙っているのは兄ではないということに気がつくのは、また別の話である。
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