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サモンナイト2より。
ネスティ×リューグ。
ネスティ×リューグ。
じりじりと身を焼くような日差しが降り注ぐ、嫌味なほどの快晴。
けれどここはいつだって薄暗く寒々しかった。まるで世界から切り離されたセカイ。
一歩外側に出れば、そこはどこにでもある街中の風景だというのに。
「っ、はなせ!」
壁に反響した怒声は、もとの何倍もの叫びとなって耳に届く。
きんっと劈くように響いたそれは、しかし外の世界に届くことは決してない。
「離したら、君は逃げるだろう」
「当たり前だっ」
「それでは困るんだ、リューグ」
握りしめた腕に力を籠める。
腕力のあるほうではないが、相当な痛みを与えているだろうことは間違いない。
苦痛に歪んだ顔に、ずきりと胸が痛んだ。
「僕には君が必要なんだ」
嫌われていてもかまわない。
ただ傍にいてほしいと願うことすら、許されないというのか。
「頼むから僕を・・・僕を、置いていかないでくれっ・・・」
「ネスティ・・・」
「頼むからっ・・・リューグ・・・・・・」
腕を引くようにして、胸のなかに抱きよせる。
縋りつくように抱きしめ、ひたすらに名前を呼び続けた。
「・・・ばか、やろう」
ポツリと落とされた声とともに、強張っていた身体の力が抜けたのが分かった。
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