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サモンナイト4より。
ライアル+ミルリーフ。

最近ミルリーフの様子がおかしい。
なにやら言いたそうに口を開きかけては、結局何も言わずに何処かへ行ってしまうのだ。

「ライの気のせいとかじゃなくて?」
「これでもオレはあいつの保護者だぞ。そんなわけねぇって」

そうだよねと相槌をうつアルバは真剣で、やっぱり彼に相談してよかったと思う。
まあ相談というよりは、ただの愚痴というか、話に付き合ってもらっているだけなのだけど。

「なんか、深刻そうな問題?」
「いや、そういう感じじゃないと思うんだけどな。ただ気になるっていうか」
「それじゃ、直接聞いてみるのがいちばんなんじゃないかな」

もちろん、それを考えなかったわけじゃない。
けれどあれだけ言うのを躊躇っていることなのだ。
聞いたくらいで、ほいほいと話してくれるものかどうか。

「大丈夫だよ」
「大丈夫って・・・何を根拠にそんなこと言えんだよ?」

あまりにもあっさり言われたので、問いかけた声が不審げなものになってしまった。
けれどアルバは気にした風もなく、にっこりとほほ笑んだ。

「根拠は別にないけどさ。案外、ライが聞いてくれるのを待ってるのかも」
「うーん・・・そっかぁ?」

ライがそう唸ったところで、かたりと扉の開く音がして。
2人してそこに顔を向けると、ナイスタイミングというべきだろう。
ミルリーフが、こっそりと顔を覗かせていた。

「ほら、ライ。ちょうどいいんじゃない?」
「んー・・・そうだな、よし!」

ミルリーフ、とライが名前を呼ぶと、とてとてと傍まで近寄って来る。
にこにこと嬉しそうな笑顔で、ライのことを見上げてきた。

「なあ、ミルリーフ」

ライはそっとしゃがんでミルリーフに視線を合わせると、ぽんと小さな肩に手を乗せた。
なあに?と彼女の大きな瞳が告げる。

「おまえさ、オレに何か言いたいことがあるんじゃないのか?」
「ふぇっ!?」

明らかにびくっとなったミルリーフに、やっぱりと内心で独りごちる。

「言いたくないんなら、無理にとは言わねぇけどさ」
「・・・・・パパ」
「ん、なんだ?」
「あの、あのね・・・!」

じっと、辛抱強くミルリーフの言葉を待つ。
なんだか彼女の緊張が伝わってきて、こっちまで変な汗を掻きそうだ。
ごくりと、唾を飲み込む音が響く。
そして、彼女からもたらされた言葉は

「ママが欲しいのっ!」

しーんと、辺りが鎮まり返る。
予想外と言えば予想外。
けれど、予想通りと言えばそうなのかもしれない。
自分の言葉に恥ずかしくなったのか、ばふんとミルリーフがライに抱きついてくる。
それをしっかりと抱きとめつつ、視線だけを彼のほうへと向けた。


「・・・ママ、やってみねぇ?」


ミルリーフに負けず劣らずの爆弾発言に、宿屋中に叫び声が響き渡ったのは、言うまでもない。
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