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サモンナイト4より。
ライ×アルバ。

一通り体も動かし終わって、宿に戻ろうとしている途中だった。
2匹の猫―――恐らく親子だろう―――が、気持ち良さそうに昼寝をしていた。
空を見上げれば、輝かんばかりの太陽。
けれど気持のよい風も吹いていて、過ごしにくい気候ではない。
いや、はっきり言おう。絶好の昼寝日和なのである。

「ちょっとだけ、おいらもお邪魔させてな?」

猫の隣にそっと腰を下ろし、ごろりと横になった。
おやすみと、隣の猫たちに声を掛けて、ゆっくりと夢のなかへ吸い込まれていった。




それから目を覚ましたのは、どのくらい経った頃なのだろうか。
目を開けて最初に飛び込んだのは、すっかりオレンジに染まった元青空だった。
寝過ぎた、そう思って慌てて飛び起きようとして、

「おはよ、アルバ」

頭上から降ってきた声に、さらに驚くことになった。
がばりと身体を起こして、声の方を確認する。

「ら、ららららい!?」
「おう。って、アルバ慌てすぎだろ」

あははと楽しそうに笑うライを、呆然と見詰める。
しかしハッとして、慌てて頭を下げた。

「ごめん、ライ!おいら、つい寝過ぎちゃって」
「え、ああ。別にそんなの気にすることないって」
「けど・・・みんなが働いてる時においらだけこんな時間まで寝てたなんてさ」
「アルバはいっつも頑張ってくれてるんだから、たまにはいいんだよ」

だから気にすんなと、ライはいつものようににっこりと笑みを浮かべた。
彼はこう言ってくれてるけど、明日はみんなの分も頑張ろう。
そうアルバが密かに決意すると、何を思ったのかライが突然噴き出した。

「ど、どうしたの?」
「ああ、いや。ちょっと、思い出してさ」
「思い出したって?」

何を?と問いかけると、ライが悪戯っぽく微笑んだ。

「猫と一緒に気持ち良さそうに眠るアルバは可愛かったぜ?」
「んなっ!!?」
「なんか、まんま猫の親子って感じで。アルバも猫っぽかった」

よく見れば、まだあの猫たちはアルバの傍にいて。
こころなし最初よりも距離が近くなっているのは気のせいだろうか。
近づいてきたのは、果たしてアルバか猫たちか。
もしかしたら、ライは知っているのかもしれない。
けれど聞くことはできないだろうなと、熱くなった頭でぼんやりと思った。
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