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サモンナイト2より。
マグナ×リューグ。

ふふっと、彼が悪戯っぽく笑う。
いつもの無邪気な笑みとは違う、どこか大人びた、妖艶なそれ。

好き?大好き?・・・それとも、愛してる?

どれがいい、なんて普通向ける相手に聞かないだろう。
どれだっていいと、心底そう言ってやりたい。
だがそうすると、一日中耳元で好きだのなんだのと言われ続けることになる。
別に、それが嫌なわけではなく。
むしろ嬉しかったりするのだが、そうすると色々なことが手につかなくなるのだ。
恥ずかしいというか、ドキドキしすぎるというか。
こんなこと、目の前の彼には絶対に言ってやらないけど。

「ほらほら、リューグ。はやくー」

なかなか何も言わないことに痺れを切らしたのか、早く早くとせっついてくる。
このまま、いつもどおりにひとつだけ選んでもいいのだが。
なんとなく、振り回され続けるのは面白くない。
そんな言い訳じみたことが頭を過って、小さく苦笑が零れた。

「おい」
「あっ、決まったの?」

パッと、変わらない笑みを向けられる。
まっすぐに向けられるそれを、しっかりと見つめ返した。

「マグナ」

名前を呼ぶ。それだけのことが、酷く幸せに思えた。
てっきり選んだものを言うのだと思っていたのだろう彼が、不思議そうに眼を瞬かせる。
その彼が言葉を紡ぐより早く、唇を開いた。

「大好き、だぜ」

たまにはこっちから、言ってみてもいいじゃないか。
なかなか素直になることはできないけれど、それでも。

彼のくれる何万分の一でもいい。
自分の想いを、正直に。

呆然と固まる彼を見ながら、幸せそうに微笑んだ。
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