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サモンナイト2より。
マグリュ+ネスティ。(リューグ不在)

えへへ、なんて誤魔化すように笑って見ても無駄なことで。
やばいと思ったときには、もう遅かった。

「・・・・・・君は馬鹿かっ!」

雷が落ちたかのような、衝撃。
びりびりと鼓膜を震わせながら、ゆっくりと過ぎ去っていく。
これまで何度、同じ言葉を投げつけられただろう。
もちろん、幾度となく彼を怒らせる自分が悪いのだけど。

「ネスってば、馬鹿馬鹿って酷くない!?」
「君が馬鹿だから馬鹿だと言っているんだ!」
「だからっ・・・」
「なんだ。僕は何か間違ったことを言っているか?」
「ううっ・・・」

言い返そうと思った矢先に言葉は封じられ、あまりの正論に何も言えなくなってしまった。
ネスティは偉そうに腕組をしながら、ふっと馬鹿にしたように笑っている。
むっと怒りが湧いてくるが、結局開きかけた口からは溜め息が漏れた。

「どうせなら、リューグみたいに可愛らしければいいのに」
「・・・はあ?」

ポツリと呟いたマグナに、ネスティが怪訝そうに眉を顰める。
それを見たマグナが、にへらと締まりのない笑みを浮かべた。
・・・・・・いったい今までの怒りは、何処へいってしまったのだろうか。

「リューグってばもう本当に可愛いんだよ!ぎゅーって、したくなるよね!」
「お、おい。マグナ・・・?」
「あっ、もちろんしたいって言っても、そんなことさせないけどさ」
「なっ・・・!」
「でね、リューグって俺が抱きつくと真っ赤な顔して、馬鹿・・・っていうんだよーっ!
な、なっ!可愛いと思うだろう?」
「・・・・・・悪いが、ちょっと用事を思い出した」

もしかしたら、目の前の彼はこれを言いたいが為に自分に馬鹿と言わせたんじゃないだろうか。
ネスティの頭にそんな考えがちらりとよぎったが、気付かなかったフリをしてくるりと踵を返す。
これ以上暴走しているマグナに付き合う気は、さらさらなかった。なかったのだが。

「どこ行くの、ネス」

がっしりと腕を掴まれて、満面の笑みでにっこりと笑われた。
これらが本番だよ、なんて。
マグナの嫌に明るい声だけが、辺りに響き渡った。
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