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おお振りより。
水谷+沖。
水谷+沖。
何故いま自分は、彼と一緒にいるのだろうか。
へらりと気の抜ける笑みを見ながら、小さくため息をついた。
「人生にもしもはないっていうけどさー・・・もしもを考えるのが人間だよねぇ」
唐突に何を言い出すのかと、思わず彼の顔を見つめる。
何か返事を返すべきなのかどうか悩んで、結局打開策など見つからないまま。
そもそも、自分が彼の相手をすること自体が間違いなのだ。
世話焼きの主将だとか、イイヒトであるはずの副主将だとか、あの子の保護者役であるとか。
こんなにも適任がいるのに、明らかな人選ミスだ。
そもそも何故こんなことになったのかと考えて、どうせろくなことではないと思考を打ち切った。
「ねぇ、沖はさ。考えたことある?」
今度ははっきりと自分に向けられた言葉に、知らず俯いていた顔を上げる。
へらっと無邪気にも見える笑みを浮かべながら、彼は一歩踏み出した。
「“もし”あの子を好きにならなかったら・・・ってさ?」
ごくりと、息を飲む音がやけに大きく響く。
いつになく楽しそうな笑みの彼から離れるように、一歩後ずさった。
「ない・・・わけじゃないよ」
乾いた唇は、自分の思うように動いてくれない。
それでもなんとか口にすると、彼は少し驚いたように目を瞬かせた。
「沖は素直だねー」
「・・・オレのことバカにしてる?」
けらけらと笑いながらそんなことを言われて、さすがにちょっとムッとする。
彼はごめんごめんとさしてそう思っていないように言いながら、軽く片手をあげた。
「そういうつもりじゃなかったんだけどさ。ほら、あいつらじゃ絶対そんなこと言わないだろうし」
「それってやっぱりバカにしてるんじゃ・・・」
「だから違うってばー。どっちかっていうと褒め言葉?」
「疑問形で褒められても嬉しくない・・・」
はぁっとため息をつくと、また口先だけの謝罪が返ってくる。
ホントに彼は、何もかもが上辺だけだと思う。
けれどそれだけではない色を瞳の奥に見つけて、うっと息を詰めた。
「後悔してるの?好きになったこと」
ゆっくりと、彼の言葉が胸に沈む。
多分彼は正直に言うことなんて期待していないし、望んでもいない。
だからこれは自分の意思であって、誰に強制されたわけでもない。
いや、正直に言おう。これは弱音だ。
「・・・・・・してるよ、してないわけないよ」
後悔なんて、死ぬほどした。
好きになってはいけなかった、好きだと気付かなければよかった。
胸を張って好きだと言えるほど、自分は強くない。
「でも、仕方ないから」
もう、後悔するのも飽き飽きだ。
前に進もうとは、まだ胸をはれないけれど。
「だって結局は“もし”の話でしょ?」
今自分は、どんな顔をしているのだろうか。
上手く笑えていてくれるといいのだが、いまいち自信はない。
きょとんとした顔でこちらを見つめたあと、彼はくすりと笑った。
「やっぱり沖は正直だねー」
「そう、かもね」
まさか彼に弱音を吐く日がこようとは思わなかった。
皆に知られたら呆れられるだろうなと思って、小さく苦笑が浮かんだ。
へらりと気の抜ける笑みを見ながら、小さくため息をついた。
「人生にもしもはないっていうけどさー・・・もしもを考えるのが人間だよねぇ」
唐突に何を言い出すのかと、思わず彼の顔を見つめる。
何か返事を返すべきなのかどうか悩んで、結局打開策など見つからないまま。
そもそも、自分が彼の相手をすること自体が間違いなのだ。
世話焼きの主将だとか、イイヒトであるはずの副主将だとか、あの子の保護者役であるとか。
こんなにも適任がいるのに、明らかな人選ミスだ。
そもそも何故こんなことになったのかと考えて、どうせろくなことではないと思考を打ち切った。
「ねぇ、沖はさ。考えたことある?」
今度ははっきりと自分に向けられた言葉に、知らず俯いていた顔を上げる。
へらっと無邪気にも見える笑みを浮かべながら、彼は一歩踏み出した。
「“もし”あの子を好きにならなかったら・・・ってさ?」
ごくりと、息を飲む音がやけに大きく響く。
いつになく楽しそうな笑みの彼から離れるように、一歩後ずさった。
「ない・・・わけじゃないよ」
乾いた唇は、自分の思うように動いてくれない。
それでもなんとか口にすると、彼は少し驚いたように目を瞬かせた。
「沖は素直だねー」
「・・・オレのことバカにしてる?」
けらけらと笑いながらそんなことを言われて、さすがにちょっとムッとする。
彼はごめんごめんとさしてそう思っていないように言いながら、軽く片手をあげた。
「そういうつもりじゃなかったんだけどさ。ほら、あいつらじゃ絶対そんなこと言わないだろうし」
「それってやっぱりバカにしてるんじゃ・・・」
「だから違うってばー。どっちかっていうと褒め言葉?」
「疑問形で褒められても嬉しくない・・・」
はぁっとため息をつくと、また口先だけの謝罪が返ってくる。
ホントに彼は、何もかもが上辺だけだと思う。
けれどそれだけではない色を瞳の奥に見つけて、うっと息を詰めた。
「後悔してるの?好きになったこと」
ゆっくりと、彼の言葉が胸に沈む。
多分彼は正直に言うことなんて期待していないし、望んでもいない。
だからこれは自分の意思であって、誰に強制されたわけでもない。
いや、正直に言おう。これは弱音だ。
「・・・・・・してるよ、してないわけないよ」
後悔なんて、死ぬほどした。
好きになってはいけなかった、好きだと気付かなければよかった。
胸を張って好きだと言えるほど、自分は強くない。
「でも、仕方ないから」
もう、後悔するのも飽き飽きだ。
前に進もうとは、まだ胸をはれないけれど。
「だって結局は“もし”の話でしょ?」
今自分は、どんな顔をしているのだろうか。
上手く笑えていてくれるといいのだが、いまいち自信はない。
きょとんとした顔でこちらを見つめたあと、彼はくすりと笑った。
「やっぱり沖は正直だねー」
「そう、かもね」
まさか彼に弱音を吐く日がこようとは思わなかった。
皆に知られたら呆れられるだろうなと思って、小さく苦笑が浮かんだ。
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