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おおきく振りかぶってより。
水谷×三橋。

「あの、水谷く、ん?」

控え目に、だが明らかに困惑した声で名前を呼ばれる。
ん?と首を傾げて、彼はへにゃりと微笑んだ。

「なあに?三橋」
「え、えと、あの・・・」
「うん?」
「なに、してる、の?」

こてんと首を傾ける三橋はカワイイのなんのって!
だらしなく緩む頬を自覚しながら、まあそれもいいかと思う。
だってこんなにも大好きなんだから、仕方ないってもんじゃない?

「そりゃあもちろん、三橋のことを見詰めてたんですよー?」
「そ、そうじゃ、なく、て!あの、その・・・」
「どうして見詰めてたかってこと?」

多分こうだろうなと思うことを聞いてみたら、やっぱりそうで。
三橋がこくこくと必死に頷いてくる。
瞳に幾分真剣さを滲ませながら、水谷はじっと三橋の大きな目を見詰めた。

「魔法をね、かけてたんだ」
「ま、ほう?」
「そう」

こんなこと三橋以外に言ったら、くだらないと一蹴されそうだななんて。
ぼんやりと思ったけれど、別に三橋以外にどう思われようとどうでもいいかと考え直す。
三橋さえいてくれれば、それでいいんだから。
三橋にだけ、この魔法がかかればいいんだから。

素直な君は、きっと囚われてくれるだろう。
甘い甘い、この言葉の魔法に。この腕のなかに。


「三橋がね、オレのこと好きになってくれますように。ってね」

ふふっと悪戯っぽく、水谷は綺麗な笑みで笑った。

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