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乙女的恋革命★ラブレボより。
雅紀×剣之助。
手を繋いだりだとか。
見詰め合ったりだとか。
そんな当たり前のことが、出来ない関係。
理解するのと、割り切れるのは違う。
道を歩けば幸せそうなカップルばかりが目に付き、鬱陶しくてしょうがなかった。
ただの嫉妬。ガキくさいことこのうえないのだが。
「別にいいんじゃないスか」
なのにあいつは、あっさりとそう言ってきた。
その嫉妬がいいというわけではなく、ただ単に。
「だいたい俺、べたべたすんの好きじゃないし」
ということらしいが。
まったく、本当に可愛くないやつだ。
「ああ、そうかよ」
「ちょっ、先輩?なに拗ねてんスか」
「別に拗ねてないだろ。人聞きの悪いこというなよ」
断じて拗ねてなどいない。
いないのに、橘は軽い溜息とともに苦笑。
オレのことを真っ直ぐに見つめる。
「確かにそういうこと出来ないかもしんないスけど。いいじゃないスか」
「べたべたすんのが嫌いだからだろ?」
「それもあるけど!そうじゃなくて」
言いながら、ふわりと笑う。
この笑顔を見るたびに思うんだ。
オレなんかが、こいつに笑いかけてもらえる資格があるんだろうか。
「手繋いで仲良く歩いてれば、そりゃ幸せに見えますけど、見えるだけかもしれないじゃないスか」
「・・・は?」
「だから、俺と先輩はそんなことしなくても幸せでしょう。
わざわざ誰かに見せ付けなくても、俺らだけが知ってればいいじゃないスか」
でもきっと、資格なんかあろうとなかろうとかまわない。
だってオレ自身、こいつを手放すつもりなんか更々ないんだから。
「なんだ。もしかして橘って、オレにぞっこんなわけ?」
「なっ、だだだ、誰がっ!!」
「はいはい。心配しなくても、ちゃんと面倒みてやるから」
「先輩なんかに面倒みてほしくねぇっ!」
真っ赤になりながら叫ぶ橘を見ながら、微かに笑う。
本当はオレのほうがぞっこんだなんて、死んでも言ってやらないけどね。