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乙女的恋革命★ラブレボより。
雅剣←颯大。


どうしてオレと付き合えるのか。
偶然聞いてしまったそれは、だけどオレが最も感じていたことだった。

人のことを信じない。
自分のこと以外はどうでもいい。
こんな人間と付き合うなんて、馬鹿にもほどがある。

・・・ほら、またこうやって突き放すようなことしか考えられない。


「それ、お前が言うのかよ」

呆れたような、橘の声。
確かにオレと颯大は一緒にいることが多いけど、それは単なる利害関係の一致ってやつでお前とは違う。
颯大もそう思ったのか、からからと可笑しそうに笑った。

「ボクは剣之助とは違うからねー」
「違うって何が?」
「・・・雅紀センパイとの関係が、だよ」

すっと目を細くして、いつもより数段声のトーンを落とす。
けど、橘はこの豹変ぶりに慣れているのか、深々と溜め息を吐いただけだった。

「お前と先輩って結構似てるよな・・・」
「えー?そう?」

否定はしない。だけど、肯定もしない。
それはきっと、あいつ自身自分のことをよく分かっているからだろう。

「・・・・・・さっきの答えだけど」

唐突に発せられた言葉に、オレの胸がドキリと高鳴る。
立ち去ろうかとも思ったけど、足が固まってしまったように動けなかった。
橘は颯大をしかっりと見据え、ゆっくりと告げる。

「確かに性格悪いし、からかわれてばっかでムカつくけど。俺にはちゃんと素をみせてくれるし」
「・・・嘘がないってこと?」
「まあ、少なくとも俺とはちゃんと向き合ってくれてるってことだろ。
それだけでも、信じることはできると思ってるし」

真顔で、はっきりと告げ、話は終わりだとばかりに橘が立ち去っていく。
その後ろ姿を追いかけて、颯大がなにやら叫んでいたが、もうオレの耳には届いていなかった。
ずるずるとその場に座り込んだオレの傍を、ゆるやかな風が吹き抜けていった。

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