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サモンナイト2より。
マグナ×リューグ。


酷く冷たい声。
こんな音が自分から出るなんて、今迄知らなかった。
―――否、知りたくなかった。


「そこまで強くないよ、俺は」


からからと、咽喉の奥で笑う。
相手を馬鹿にするような、心底見下した笑い。
多分、不快感しか与えないだろう声色。

嫌ってほしかった。
ずっとずっと、無理をしてた。
少しでも頼ってほしくて、少しでも弱みをみせたくなくて。
でもやっぱり、そんなことにはすぐに限界がくる。
だったら、いっそのこと。


「分かってるよ」
「・・・え?」
「んなこと、とっくに知ってた」


いつもと変わらない、真っ直ぐな瞳。
逆上して、立ち去るかと思った彼は、相変わらずそこにいた。
いや、そんなことよりも。
彼はいま、なんと言った?


「知っ、てた・・・?」
「・・・ああ」
「な、んで・・・だって、それならっ・・・!」
「ごめん」


かっと頭に血が上って、逆上しかけたのを遮るような声。
はっと、顔をあげる。
なんで、なんでそんな、泣きそうな顔してるんだよ。
ごめん。彼はもう一度、声に乗せた。


「甘えてたよな、ずっと。オマエの優しさに」
「っ・・・」
「気づかないフリして、ここまで追い詰めた。最低だな、俺は」


違う。そう言いたいのに、声が出ない。
気づいていてくれた、ちゃんと俺を見てくれていた。
それだけで、十分なのに。
目の前が霞んできて、上手く言葉が出てこない。


「最初からやり直そうぜ。なぁ、マグナ?」


差し出された、その手を。
何も、言えない。言うことができなくて。
返事のかわりに、ひとつ雫が落ちた。

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